提供:MEAL glossary
移動先: 案内検索

 アウトカム基盤型教育(outcome-based education: OBE)は,学習者中心教育の考え方を用い,大きな目標のそれぞれに到達度評価を適用するタイプのカリキュラム開発法である.従来のカリキュラム計画・開発法は,目的・目標から方略,評価へと至る循環型のモデルを構築している.しかし,教育内容はどんどん増加し,教育内容と評価内容が目標と合致しない,あるいは知識や表面的なスキルは評価出来ても,態度や深い理解に関する評価ができないという批判が生じ,より評価に重点を置いたカリキュラム開発法が2000年前後から取り沙汰されるようになった.
 アウトカム基盤型教育のモデルとして,1999年にACGME(米国卒後研修認証評価審議会)が6つのアウトカムを設定したものが最初に有名になった.追って,2002年にIIMEやスコットランド医学部長会議がそれぞれ7つ,12個(3つの輪のモデル)を提唱した.
 よくある誤解として,「アウトカム基盤型教育はプロセスを議論せずにアウトカムだけを評価すればよい」と言う人がいる.アウトカム基盤型教育は,評価を重視はするが,プロセスを軽視するわけではない.アウトカム基盤型教育を導入すると言っても,多くの場合カリキュラム全体をがらりを変えることはできないため,これまでに進行しているカリキュラムにおいて,評価を見直すことから始まると考えるべきであろう.