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 医学・歯学の高度化・専門化に伴い,それぞれの診療科や分野において高度な知識や技量,経験を持つ医師・歯科医師のこと.わが国では,昭和37 年4 月に発足した日本麻酔指導医制度以降,いくつかの学会が独自の認定医制度を構築してきたが,学会間の統一性の乏しい制度であった.昭和56年11月には,22 学会の代表により学会認定医制協議会が立ち上がり,標榜制との連動,認定制度の要件,認定更新と生涯学習といった議論が重ねられてきた.平成20年3月には,日本専門医制評価・認定機構が再編されたが,専門医は,「加盟学会と協調し,5年間以上の専門研修を受け,資格審査ならびに専門医試験に合格して,学会等によって認定された医師」と定義されている.
 国際的には,各専門領域の医師数がどの程度必要かを基にした専門医育成計画が行われることが多い.しかし,日本の専門医制は,各医師の志望した専門領域によってその数が左右されるため,一部専門医では国際的な専門医比率よりも明らかに高い比率を示すなどの問題が生じている.特に,総合医家庭医と言われるような,地域での一次医療,プライマリケアに専従する医師は,これまで標準化されたカリキュラムで育成されるシステムがなかった(2006年より,ようやく日本家庭医療学会が家庭医療後期研修制度を立ち上げ,2009年からは家庭医療専門医が誕生するようにはなった).
 2011年10月からは,厚生労働省の「専門医の在り方に関する検討会」が立ち上がったが,総合医に関する議論も行っており,グランドデザインを踏まえた新たな制度設計がなされる予定である.