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医師臨床研修制度は医師が将来専門とする分野にかかわらず基本的な診療能力を身につけることができるよう、平成16年度から必修化された。医師臨床研修制度の変遷としては、昭和21年実地修練制度(いわゆるインターン制度)の創設 、昭和43年実地修練制度の廃止、臨床研修制度の創設 に次ぐ大きな制度変更であった。昭和43年に創設された臨床研修制度は「大学医学部卒業直後に医師国家試験を受験し、医師免許取得後も2年以上の臨床研修を行うように努めるものとする」とされた(努力規定)。平成16年からの新医師臨床研修制度では、「診療に従事しようとする医師は、2年以上の臨床研修を受けなければならない」とされた(必修化)。従来の臨床研修制度 において、平成13年度のデータでは(研修医約13,500人:2学年分、対象者数の87%)、その7割が大学病院で、3割が臨床研修病院で研修を実施していた。また、研修医の4割程度が、出身大学(医局)関連の単一診療科によるストレート方式による研修を受け、総合診療方式(スーパーローテイト)による研修を受けていた研修医は少なかった。平成16年の医師の臨床研修の必修化に当たっては、医師としての人格を涵養し、 プライマリ・ケアの基本的な診療能力を修得するとともに、 アルバイトせずに研修に専念できる環境を整備すること を基本的な考え方として制度を構築された。 新しい臨床研修制度の導入により、一定の効果が見られた一方で、地域における医師不足問題を顕在化させた、との考え方もあり、医師臨床研修制度の見直しが行われた(平成22年度から施行)。見直しによって、従来必修科であった診療科のうち、内科、救急、地域医療のみが必修となった。 外科、麻酔科、産婦人科、小児科、精神科については選択必修科となった。また、都道府県別の募集定員の上限の設定、研修プログラムを管理する病院の指定基準の強化などが盛り込まれた。ただし、研修の達成目標等は従来通りである。平成27年度を目途に再度見直しが予定されている。