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D112

共同救急業務規則

ウェストファーレンーリッペ医師会及び保険医協会 

1996522/622

Gemeinsame Notfalldienstordnung

der Aerztekammer Westfalen-Lippe und der

Kassenaerztlichen Vereinigung vom 22.Mai/22.Juni 1996

 

 

訳者解説

はじめに、ドイツの医学部を卒業され、ドイツで30年間家庭医として開業されている柴田三代治医師からの手紙の一節を引用することにする。

「医師、とくに健康保険医は、日中は必ず連絡可能な状態にあることが必要です。往診中なら看護婦か奥さんが電話に出て連絡をとります。長時間不在にする場合は、必ず同僚または近所の医師にこのことを報告し、承諾を得る必要があります。土日と水曜日の午後と夜間{19時から7時まで}は救急勤務が当番制で回ってきます。ですから、24時間、ホームドクターがいなければその同僚が、また夜中と休日なら必ず救急医がいることになります。交通事故または急患(倒れて意識不明とか路上で苦しんでいるとか、素人目でみても緊急である場合とか)の場合は直接救急車を呼ぶ場合もあります。」

これによると、患者は一年中24時間、いつでも医師にアクセスできる状態になっている。また医師職業規則により、医師は自分の患者に対しては必要があれば診療時間外でも診療に当たり、それができないときは同僚医師または救急当番医が診ることになっている。

ここ紹介するのは、そのような制度の基本となる救急業務規則で、多少の地域差はあるにしても、ドイツ一般のことと考えてよい。ここに示すように、開業医は特別に免除されないかぎり、救急業務に参加することが義務づけられており、同時に医師職業規則により救急に対する生涯研修を継続する義務もある。なお、一般の生涯研修は水曜日の午後と土曜日(日曜日にも少しある)に集中して組まれている。

ドイツは16の州からなるが、いずれの州も一つの医師会と保険医協会を持っている。ノルトライン−ウエストファ−レン(Nordrhein-Westfalen)州は約1,700万の人口を有するドイツ最大の州であるが、ここでは他州と異なり、ノルトラインとウエストファ−レン−リッペの2つの州レベルの医師会及び保険医協会が存在する。医師会管轄地域の住民数は、前者の方が少し多い。

ウエストファ−レン−リッペ医師会はミュンスタ−市に事務所があり、その下に12の管理地域があり、それぞれに理事長が存在する。

他方、保険医協会はドルトムント市に州事務所があり、理事会を持つ。その下にドルトムント市とミュンスタ−市の2ヵ所の管理事務所があり、さらに12の地域事務所に分かれていて、それぞれに地域事務所の長がいる。

ここに示した共同救急業務規則は、医師会と保険医協会の共同で作成し実施される規則である。医師会は医師の自治組織であるが、州の行政官庁から医師を監督する権限を委譲されている。保険医協会も公的任務を遂行する公的な組織である。

救急業務参加義務からの免除理由として、従来は身体的支障、介護などの負担を伴った家族への義務、妊娠と出産の3条件が認められていたが、この救急業務規則では介護などの家族への義務が削除されている。ドイツではこの規則が作られる1年前の1995年から介護保険法が発足しているので、家族への介護負担が削除されたのではないかと考えられる。65才以上に免除を与えている州もある。

週末と祭日の救急規定(§3)とは別に、§12の規定により週日の夜間は開業医の同僚間で救急業務を分担することになっている。また、昼間の診療時間などに長時間不在にするときは、同僚にその間の代理を依頼し承諾を求めることになっていて、患者は24時間医師の診療を受けることができる。

救急業務規則は時代とともに改定されるが、過去の規定も見てみたいということであれば、州は違うが1991年と1971年の規則が「岡嶋道夫編訳:ドイツの公的医療保険と医師職業規則(信山社)1996」に紹介されている。

岡嶋道夫 訳

1999年2月4日掲載、同4月30日一部追加

2000年8月10日一部修正(§§14、15)

 

 

序言

WL医師会とWL保険医協会は、1994年4月27日の医療職法Heilberufsgesetz の§6 (1) 3、§31 (1) (1994年5月25日告示、NW法令集 S.204ff)、1995年5月29日のWL医師会の職業規則§24、医療保険構造法SGB V の§75 (1)、§115 (2) 3ff、連邦総括的契約Bundesmantelvertrag-Aerzte、並びに共同契約による両者の義務を満たすために下記の「共同救急業務規則」(GNO)を議決した。

 

 

§1 原則

(1) 患者の(契約医による)外来診療を、いかなる時間においても確保することが開業医の任務である。患者の(契約医による)外来診療は、医師本人、その代理医または医師救急業務によって達成される。

(2) 救急業務が設定されていても、医師が診療を行っている自分の患者のケアに対して、その病状が必要としている範囲に応じた配慮をするという義務から、医師を免除するものではない。診療時間外に治療の継続が必要と予想されるときには、診療を行っている医師は治療の継続に配慮しなければならない。

(3) 救急業務の枠で行う処置は、患者をできるだけ近い外来または病棟における治療まで、医師として目的に適った十分な診療をするということにある。診療はそのために必要とされることに限定されなければならない。

(4) 患者の救急処置が終ったときには、患者が他の開業医の処置を受けていれば、救急医は処置を継続してはならない。

(5) 救急業務に従事している医師は、診療を行っている医師または引続いて診療を行う医師に、同人から提出する完全に記入された救急業務証明書の写しを折返し送ることにより、行った医療行為の種類と範囲について知らせる義務がある。

 

§2 参加を義務づけられる者

(1) 住民に、緊急時における医師及び契約医の診療を確保するために、§3に示した時間に医師救急業務が設定される。

(2) 参加義務は下記の範囲に及ぶ

·        契約医(契約医認可規則 Aerzte-ZV§24)【Aerzte-ZV開業認可規則】

·        開業の権限を認められた医師で、その認可が一般診療領域に関連しているとき(Aerzte-ZV§31 (1a))

[訳者注:これは、地域の開業医数が定員に達しない、などの理由によって生じた医療給付の不足を補う必要がある場合に、病院などの医師が一般救急業務に参加する特別な場合のことである。]

·        開業して自由診療に従事する医師。

(3)契約医が共同診療所[グループ診療に相当する]を提携しているときは、共同診療所の医師はいずれも救急業務に参加する義務がある。

(4) 契約医が、契約医認可規則 Aerzte-ZV §32b による被雇用医師として従事するときは、雇用者である診療所所有者の救急業務の割合は、雇用関係の程度に従って拡大される。

 

§3 救急業務の範囲

医師の救急業務は、医師及び契約医の診療を以下の時間に確保することにある

a) 土曜日 8.00時から月曜日 7.00時、

b) 水曜日13.00時から木曜日 7.00時、

c) 法定祭日前日20.00時から次の平日 7.00時まで(祭日が金曜日の場合は、救急業務は土曜日の 8.00時に終る)、

d) 12月24日と12月31日が平日であれば、いずれも 8.00時から。

[訳者注:上記以外の診療時間外、つまり週日の夜間における救急業務については、§12同僚間の救急義務が適用される]

 

§4 管轄

(1) WL医師会が救急業務の組織と実施を管轄するときは(例えば救急業務地区の区割りと救急業務への動員)、医師会はこの任務をWL保険医協会に委任する。(4)による異議申立はWL医師会が管轄する。

(2) 地域事務所の長は、その地域事務所の地域内の総ての救急業務問題を決定し、そのために基礎となる通達を出す。

(3) 苦情処理係は地域事務所の長である。

(4) 契約医に対する異議申立の場はWL保険医協会の理事会であり、その他の医師[訳者注:契約医でない医師、すなわち自由診療だけに従事している医師]に対してはWL医師会がそれを担当する。

(5) 異議申立の期限は、決定の通達後1ヵ月である。

 

§5 救急業務地区と救急業務グループ

(1) 地域事務所の長は救急業務地区を設定し、各救急業務地区に対して原則として一つの救急業務グループを、地区の事情を考慮して下記の原則により作る。

(2) 救急業務グループは、各救急業務地区において、§3 の意味での救急業務を確保するための権限を有する。救急業務地区で救急業務を義務づけられた総ての医師は、グループに所属する。従って救急業務に割当てられた医師は、勤務に従事する間はその救急業務地区から離れてはならない。

(3) 救急業務地区は、患者が速やかに、かつ効果的に診療が受けられるように設定される。

(4) 救急業務グループは、医師5名以下で構成されるべきではない。

(5) 医師の救急業務への組分は、原則としてその診療所所在地によって決定する。変則的なことは、地域事務所の長または地域管理事務所の理事会の同意を必要とする。

 

§6 勤務割当

(1) 1地域事務所の長は、救急業務グループに対する業務計画を作成する。 2業務計画は半年分を作成する。 3その計画は救急業務グループのメンバーに、遅くとも発効の4週間前までに知らされる。

(2) 地域事務所の長は、業務計画の作成を救急業務グループに委任することができる。グループは業務計画を準備する救急業務委託者を選出する。(1) の 2項と 3項が準用される。業務割当を委任しても、地域事務所の長から救急業務実施を保障する義務を免ずることにはならない。業務計画作成の折り合いがつかない場合、または業務計画が期限に間に合わない場合などには、委任はいつでも撤回できる。

(3) 原則として救急業務は、24時間を超えて中断することなく継続してはならない(職業規則§24 (4) 2項)。自由意思によってその時間を超えることは可能である。

(4) 救急業務の医師は、救急業務グループ内での業務割当が、なるべくバランスが取れたものであることを請求する権利がある。

 

§7 救急業務の実施

(1) 救急業務は原則として診療所が担当しなければならない。業務時間内には、業務担当医師はその業務地区内にいて、常に連絡可能でなければならない(職業規則§24 (5) 3項)。センター組織を採用する救急業務地区では、患者がセンターを通して救急業務担当医師に連絡できるようになっていればよい。

*)【訳者注:WL医師会の職業規則§24 (5) 3は以下のような条文となっている。

§24 (5) 3  担当医師が救急業務の実施で不在になるときは、総ての要請が受け付けられ、直接本人に転送されるように配慮しなければならない。】

(2) 救急業務中に頼まれた往診は、救急業務時間が終った後になっても、救急業務担当医師によって行われなければならない。

(3) 救急業務開始前にかかりつけ医師が依頼された往診に対しては、このかかりつけ医師が責任を持つ。

(4) 救急業務グループによって、センターの電話番号が案内役としての留守番電話に連結されているときには、患者が次に電話することによって、医師本人または医師に知らせることのできる者に連絡できることが保障されていなければならない。そのようになっていない場合には、救急業務センターに留守番電話を設置することは許可されない。

(5) 救急業務担当医師が直接交替する場合には(例えば土曜日/日曜日)、業務担当医師は業務引継ぎの医師が業務に就くまでは、責務を負っている。

 

§8 代理と勤務交替

(1) 医師は救急業務を自ら行う義務を有する。理由がある場合には、医師はその救急業務グループの同僚と交替すること、または他の医師が契約医認可規則 Aerzte-ZV §32 (1) による条件を満たしているときにはこれに代理をさせることができる。自由診療に従事している医師(§2 (2))に代理させるときは、代理医師は職業規則§24 (5) の条件を満たしていることを保証しなければならない。代理を依頼する医師は、代理者が条件を満たしていることに対して責任を持っている。救急業務を替ってもらった医師は、地域事務所または救急業務委任者に、代理の件を遅れないように伝え、これに関連する公示を担当しなければならない。代理は、代理を依頼した契約医の診療所、または救急業務地区内にある他の診療所において実施されなければならない。救急業務を割当てられた医師が、開業していない医師によって代理されるときは、代理を依頼する医師は、救急業務の時間帯に、その診療所を使用に供する。この場合には、給付の清算は、代理を依頼した医師によってなされなければならない。

(2) 交替に当って、具体的な時間帯の救急業務の義務は、開業の契約医から他の医師に、話をすることによって引継がれる。最初に割当てられていた医師から交替によって業務を引受けた医師は、自分の名前で従事し、自分で清算する権限がある。交替が拘束力をもって合意されていれば、業務を引受けた医師は、交替によって引受けた業務を行うに当って支障があれば、補助要員に対する配慮もしなければならない。

(3) 専門医としての救急業務の当直医は、専門の同僚だけに代理させることができる。

(4) 卒後の実地修練医(AiP)[インターンに相当する]は、連邦医師法§10 により制限された職業許可[許可は免許より制限された資格である]であるので、救急業務の代理を委任することはできない。診療所で従事している卒後研修中の助手は、その卒後研修期間を少なくとも半分済ませていれば、救急業務の代理を引受けることができる。

(5) 医師は救急業務の代理を指定することに対して責任を有する; 契約医認可規則 Aerzte-ZV §32 (1) 4項によって適任とみなされる病院医師にも代理を委任することができる。職業規則§21 (4) に注意しなければならない。

(6) 代理の場合、救急業務の規定通りの実施に対する責任は、服務義務のある医師にかかっている。この医師は、代理医師に業務の間、医師の義務及び(契約医の)連絡施設の利用を指示する。非契約医は、救急業務に従事する間は契約医と同じ義務を有する。

 

§9 専門医の救急業務

(1) 地域事務所の長は、需要があり、専門科の医師数が十分に間に合わせられるときには、補充的に特別な救急業務領域を持った専門医の救急業務を設置することができる。§5 (3)が準用される。

(2) 専門医の救急業務は、それによって一般救急業務の確保に影響が及ばないときにだけ設置することができる。

(3) 一つ、またはいくつかの専門科に対する救急業務ができても、それによって他の専門科の救急業務の設置を要求する理由とはならない。

(4) 専門医の救急業務の地域境界は、一般救急業務の境界と違っていてもよい。

(5) 専門医の救急業務が設置されれば、この専門領域の医師で救急業務の義務を有する者は全員これに参加する義務がある。

(6) 専門医の救急業務に対して、この救急業務規則の規定が準用される。

(7) 自由意思で専門医としての救急業務を行うことは、一般救急業務への参加義務を免除するものとはならない。

 

§10 救急業務のインフラストラクチャー

(1) 地域事務所の長は、救急業務委員会と救急業務グループの意見を聴取して、救急業務の技術的インフラストラクチャーを決定する。

(2) 救急業務を確保するために、地域事務所の長の同意を得て下記のものを投入することができる:

·        センター代表電話番号(原則として連邦統一電話番号 1 92 92)。センター組織化された救急業務では、代表電話番号だけを公表する。

·        最新の連絡技術

·        他者による交通手段

[訳者注;これに該当するかどうか確認していないが、柴田三代治医師からの手紙によると、ドイツには以下のような3種類の患者搬送車があるという。

Notarztwagen:医師同乗の救急車。

Rettungswagen:設備の点でKrankenwagenより良く、看護夫も最低2名いる。

Krankenwagen:看護夫1人または2人で、歩行不能の患者の輸送、救急設備有り。

管轄は市町村公共体。

なお、上記の車の種類を日本語で表現するのは困難であるが、直訳してみるとNotarztwagenは救急医車、Rettungswagenは救急車、Krankenwagenは患者搬送車となる]

·        救急外来、これに対して地域事務所の長は§3 によって決められた業務時間とは違った開所時間を定めることができる。

(3) 救急業務センターにおける非医師の総ての従業員は、地域事務所の長によって書面により守秘が義務づけられる。

(4) 地域事務所の長は、救急業務の時間と地域管轄に関して公開しなければならない。医師の救急業務に対してセンター電話番号がない場合は、地域の新聞の他に消防署、警察署、地域の救助隊部署などに、§3 による業務割当並びに業務時間を知らせる。

 

§11 医師救急業務参加からの免除

(1) 困難な事情がある場合には、医師は書面申請により、地域事務所の長から永続的または期限をつけて救急業務から免除してもらうことができる。

(2) 免除は、それによって救急業務地区の救急サービス確保が脅かされなければ、可能である。

(3) 免除の根拠は以下の通りである

a) 医師の重い病気または障害が証明され、その病気または障害が診療従事(例えば症例数)にそれなりの影響を与えているとき。

b) 妊娠(妊娠中及び出産後12ヵ月まで);それに引続く未成年の子供の養育は原則として免除の正当理由とはならない。

(4) Belegaerztlich taetige Aerzte [開業医であるが、特定病院内で診療する権利を有する者]の免除申請は、地域事務所の長が個別に決定する。

(5) 専門医の救急業務に参加している医師は、一般救急業務から免除される。

(6) 名誉職として医師組織のために従事している医師は、申請により救急業務から免除することができる。WL保険医協会の理事長、理事、管理事務所の長、地域事務所の長、WL医師会の管理部門の地区理事長、並びにWL医師会の会長、副会長及び理事は申請により救急業務から免除される。

(7) 救助隊業務への自由意思参加は、救急業務からの免除を正当化するものではない。したがって、自由意思で救助隊に参加する医師は、救助隊業務への参加によって、同人の救急業務義務を果たすことが妨げられないことを保障しなければならない。

(8) 救急業務グループと合意して医師を割当てないことは、(1) による免除を示すものではない;これは何時でも撤回することができるし、引続いて割当てないことや免除を請求する権利とはならない。

 

§12 同僚間の救急業務/存在する義務(Praesenzpflicht)

(1) §3 に示した時間外、すなわち月曜日、火曜日及び木曜日の19.00時から翌日の 7,00時、及び金曜日の19.00時から土曜日の 8.00時、においては、医師の診療は同僚間の救急業務によって保障される。同僚間の救急業務は、原則として同じ専門医または同じ診療の分野の会員だけで設定することができる。

(2) (1) に示した時間における医師の診療が十分に保障されないときには、地域事務所の長は対応する手段を取らなければならない。

(3) 同僚間の救急業務の時間帯に、自ら業務に対応し、存在する義務[不在にしないという義務]を満たす医師に対しては、同僚間の救急業務に参加することは不必要である。

 

§13 救急業務委員会

(1) 地域事務所は、救急業務における問題について地域事務所の長に助言するために、4年ごとに救急業務委員会を選ぶ。

(2) 地域事務所の長は、救急業務委員会の委員長となる。WL医師会の管理地域理事長はその代理人である。

(3) 救急業務委員会の委員数は、地域事務所の救急業務地区の数と同数とする。個々の場合において、地域事務所の長がこの数を超えて会議参加者を招集することができる。

 

§14 費用の割当金

【訳者注:§14ー§15に述べられている事項は、医師報酬などに関する規則を把握していないと正確なことが理解できない。残念ながら、訳者はその辺の知識不足であるので、ここでは真の意味を把握できず、ただ機械的に翻訳しただけである。したがって、翻訳文にこだわらないようにお願いする。】

(1) 救急業務地域のセンター救急業務に対して交通費、人件費及び物件費が、WL保険医協会によって四半期ごとに把握され、救急業務を義務づけられた医師(§2)に一様に配分され、四半期ごとの清算のときに支払われる。救急業務のために実際に動員された範囲については、ここでは考慮されない。自由診療を専業としている開業医に対しても、割当金義務は適用される。

(2) 専門医としての救急業務参加者に対して、並びにもっぱら事務所業務に参加した医師に対しては、人件費及び物件費だけが計算される。

(3) この規定は、他の救急業務地区のセンターが必要とした医師救急業務に対しても適用される。

(4) 開業の認可が停止している医師、並びに§11 により救急業務参加が免除されている医師は、分担金を負担する。

(5) 契約医が契約医認可規則 Aerzte-ZV §32b による被雇用医師を従事させたときは、診療所の費用取り分は対応して高くなる。

(6) 救急業務地区の総費用並びに各医師の費用取り分は、WL保険医協会によって、報酬通知の添付資料中で明示される。個別資料は請求があれば提供される。

 

§15 救急業務費用の免除

逼迫状態の場合には、理事会は申請によりセンター救急業務に対する費用の割合を減額または免除することができる。

 

 

§16 救急業務費用への補助金

(1) 救急業務のために§3 に示した時間に割当てられた§2 (2) の医師はいずれも、24時間の救急業務に対して補助金を受領する。これに対して請求する必要はない。時間が延長または短縮されたときは、補助金の額はそれに相当して増額または減額される。

(2) 補助金の額は、予算で明らかにされた救急業務に対する額を、救急業務に割当てられた医師数で割ることによって算出される。

(3) 費用補助金に対する基礎は、WL保険医協会の州事務所に、決定の4週間以上前に提出された業務計画で作成される。

 

§17 違反

この共同救急業務規則に対する違反は、職業法上及び/または契約医法上の規則によって処置される。

 

§18 発効

(1) この共同救急業務規則は、1996年7月1日に発効する。これにより1990年7月1日付の従来の共同救急業務規則及び1991年1月1日付の共同救急業務のための実施規定は移行段階なしに失効する。

(2) この共同救急業務規則の発効前に言い渡された救急業務参加の免除は存続する。