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ホームページ開設に当っての御挨拶

国際化、情報化の時代となって世界の情報が容易に手に入るようになりました。しかし、よく考えてみると、情報は物質として届いても、これを理解するためには、以前と同じように言葉の隘路を乗り越えなければなりません。とくに英語以外の言葉で書かれた資料を読むことは、いちじるしく制限されています。

 

日本は明治の始めにドイツから医学を学びましたが、日本の医療制度は現在でもドイツの医療保険制度から多くのことを取り入れています。このように医療の面で日本とドイツは密接な関係を保っていますが、関連するドイツの規則や資料類を日本語で読むこと、とくにそれらの全文を知ることは不可能に近い状況と言えます。

 

私は医療、医学教育に関するドイツ語圏の資料を読んでいますが、あちらの現実は日本で考えているのと大分違っているように感じました。一言で述べると大変感銘を受け、学ぶべきことが多数あるという印象を受けております。そこで、それを皆様に少しでもお伝えしたいという気持になり、1995年に1冊の翻訳資料集を出版いたしましたが、書物としての出版には経済的な限界がありますので、今回このホームページを開設することを決意した次第です。

 

ドイツの事情も数多く紹介されています。しかし、要約された資料では、それを作成した執筆者の主観による選別が避けられません。これは、執筆者の努力にも関わらず資料の客観性を弱め、またインパクトの少ないものになりかねません。そこで私は、資料の全文を翻訳して提供することを考えました。しかし、無理して全文をお読みになられる必要は毛頭ありません。全体を通覧できる環境の下で必要箇所を拾い読みして下されば、それだけで理解のレベルはずっと増すことと思います。

 

翻訳資料作成に当って、資料の客観性を損わないことを心掛けたつもりです。しかし、読者にとって必要と思われる解説はできるだけ添えることにしましたが、「訳者解説」あるいは【訳者注】として【 】内に挿入することにより、原資料の注と区別できるようにしました。

 

このホームページに関連した質問などありましたらお寄せ下さい。知っていることでしたらお答えします。また、今後の調査の参考にさせて頂きます。貴重な御意見などは、後日このホームページで紹介させていただくことも考えております。

 

今までに多数の方々の御助力を頂きましたので、お名前は列挙しませんが、ここに深く感謝の意を表します。とくにドイツ連邦厚生省広報部、ドイツ医師会広報部およびドイツの知人の御協力を得ました。また、医学関連図書館以外に、国立国会図書館、東京大学法学部外国法文献センターなどを利用させていただけたことは、大変に役に立ちました。しかし、それまで法律や制度に関して勉強したことのない私が、69歳の誕生日を迎えたころから本格的に取り組み始め、辞書を片手の素人翻訳ですから、不備な箇所が多数あると思います。したがって、お気付きの点は遠慮なく御指摘、御指導いただきたいと存じます。また、このような仕事に興味を感じられる方がいらっしゃいましたら、お互に協力してやっていけると有難いことです。