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専門医ごとに見たドイツの医師の収入(手取の額)(1999年)

ドイツ医師会雑誌2002年15号(4月)に発表された表を岡嶋がグラフにしたものです。

総収入から診療所の経費(物件費と人件費で平均55%相当となる)を差し引き、それから更に所得税と保険料(老齢年金と医療保険)を引いた手取額です。

全員を収入の額の順に3等分(高、中、低収入)して、それぞれのクラスの平均値を示したものです。

ドイツではケルンにある保険医扶助機関Institut für kassenärztliche Versorgungが以前からこのように保険医の収入を調べて統計を作っています。医師としての収入だけを対象とした統計ですが(資産収入などは含まれていない)、ドイツの医師の収入は透明と言えます。

医師免許を取得すると、総ての医師は医師会に強制加入させられると同時に、医師年金にも強制加入させられます。その収入に応じて年金の保険料を支払う義務が生じますが、65歳から(希望すれば支給額は少し低くなるがその前からでも)安心して暮らせるだけの年金が支給されます。障害者になった場合や遺族にも相応の年金が支給されます。

当時1マルクは60円か70円だったと思います。

専門医の種類:家庭医、眼科、外科、産婦人科、耳鼻咽喉科、皮膚科、内科(内科専門医、内科専門医資格を有するが家庭医業務を選択した医師も含む)、小児科、神経科、整形外科、放射線科、泌尿器科

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

上記の額は月額ですが、1年間の所得はこれを13倍したものになります。ドイツのサラリーマンは1年に1ヶ月分のボーナスが休暇手当あるいはクリスマス手当という形で支給されます。したがって収入の月額を示すとき、多くの場合に13分の1の数字が用いられます。

 

岡嶋道夫