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訳者解説(末尾)をご覧下さい

臓器提供証明書(ドナーカード)

 D110

訳者コメント

この法律2007年に改定されたが、その全文翻訳詳細解説下記掲載されている。

斎藤純子:ドイツの臓器組織移植法。外国立法235号:96114, 2008

斎藤純子訳:臓器及び組織提供摘出採取及び移植に関する法律移植法)。外国立法235号:115134, 2008

改定された法律名称は:

Gesetz ueber die Spende, Entnahme und Uebertragung von Organen und Geweben  (Transplantationsgesetz-TPG)

 

ドイツ

臓器提供摘出及び移植に関する法律

移植法)

1997115

連邦議会連邦参議同意を得て下記法律議決した


Gesetz ueber die Spende, Entnahme und Uebertragung von Organen

(Transplantationsgesetz-TPG)

Vom 5. November 1997

Der Bundestag hat mit Zusimmung des Bundesrates

das folgende Gesetz beschlossen

 


第1章

通則

§1 適用範囲

(1) この法律は、他人への移植目的とした臓器臓器一部または組織臓器)の提供摘出、並びに臓器移植とこれらの処置準備適用される。さらに人の臓器売買禁止にも適用される。

(2) この法律血液及び骨髄、並びに胚及び胎児臓器組織には適用されない。

 

§2 住民啓蒙臓器提供のための意思表示臓器提供登録臓器提供証明

(1) 州の法律により権限を有する部署、その管轄に含まれる連邦役所、とくに健康に関する教育担当する連邦センター、並びに疾病金庫は、この法律に基づいて住民臓器提供可能臓器摘出条件及び臓器移植意義について啓発する。これらの機関は、適切意思表示書類一緒臓器提供について意思表示をする証明ドナーカード)を準備する。疾病金庫民間医療保険機関は、満16歳を超えた保険に、これらの書類定期に、臓器提供に対する意思表示をするようにという依頼とともに提供する。

  (2) 臓器提供に対して意思表示をする者は、臓器摘出に§3により同意、それに反対、または名前指定した信頼する人に決定を委ねることができる(臓器提供に対する意思表示)。意思表示特定臓器限定することができる。同意決定委任は満16歳を超えた者、反対は満14歳を超えた者が意思表示できる。

(3) 連邦厚生は、連邦参議同意を得て法規命令により、意思表示した者の希望があれば臓器提供意思表示をデータ記憶装置入力し、資格のある者に情報提供する任務を、機関委任することができる(臓器提供登録)。入力された個人関連データは、意思表示をした者において§3または§4による臓器摘出許可されるかどうかを確認する目的だけにしか用いることができない。法規命令はとくに下記のことを規定している

  1. 臓器移植に対する意思表示の受入れまたはその変更管轄する公的機関Anlaufstellen事業開始機関という意味か?】)、印刷された書式用紙使用記入されるデータの様式、及び意思表示者の個人識別検査
  2. Anlaufstellen事業開始機関?】による臓器提供登録への意思表示伝達、並びに意思表示とその中に含まれるデータをAnlaufstelle登録入力
  3. 連邦情報保護法§10による自動処理手続におけるすべて呼出記録、並びに照会情報提供許容されるかを審査する目的のために臓器提供登録からの情報提供記録すること、
  4. (4) 1項により情報提供資格のある医師個人情報登録入力すること、並びに情報提供資格に対するコード番号供与入力及び構成
  5. 入力データの消去、及び
  6. 臓器提供登録財政

(4) 1臓器提供登録からの情報提供ができるのは、意思表示者並びに登録情報提供資格があると病院から指名された医師だけで、その場合医師臓器提供臓器摘出移植関与せず、またこれらの処置関与する医師指示を受けない者である。 2照会は§3 (1) 2.により死が確認された後にはじめて行うことができる。 3情報提供は、臓器摘出を行うことになっている医師だけに与えることができるが、また§3 (3) 1項により意図されている、または§4 により問題となっている臓器摘出について知らせることのできる人にも与えることができる。

(5) 連邦厚生は、一般行政規則により連邦参議同意を得て臓器提供証明書式を定め、連邦法律広報公示する。

 

第2章

死亡した臓器提供からの臓器摘出

§3 臓器提供同意のある臓器摘出

(1) 臓器摘出は§4 特別規定がないかぎり、以下場合許容される

  1. 臓器提供摘出同意していた、
  2. 臓器提供の死が、医学知識基準に沿った規定によって確認され、そして
  3. 侵襲医師によって行われる。

(2) 臓器摘出以下場合には許されない

  1. 死を確認された人が、臓器摘出反対していた、
  2. 摘出の前に臓器提供に、大脳小脳及び脳幹総合機能決定で疑いのない消失が、医学知識基準に沿った手続によって確認されない。

(3) 1医師臓器提供最近に、意図されている臓器摘出を知らせなければならない。医師臓器摘出経過範囲記録しなければならない。最近書類に目を通す権利を有する。最近はその信頼している人に意見を求めることができる。

 

§4 他の人の同意による臓器摘出

(1) 1臓器摘出を行おうとする医師に、臓器提供となるべき者の書面による同意書面による反対も出されないときは、その最近に、本人から臓器提供に対する意思表示を聞いているかどうかを質問することができる。 2その近親者もそのような意思表示を聞いていないときは、医師近親者にこの場合臓器摘出について説明し、近親者がそれに賛成すれば、§3 (1) 2.及び 3.及び (2)条件の下に摘出が認められる。 3近親者は臓器提供となるべき者の推測される意思考慮しなければならない。 4医師近親者にこのことを指示しなければならない。 5近親者はその意思表示を、取り決めた一定期限内に撤回できることを、医師と取り決めることができる。

(2) 1本法律が意味する最近以下列挙した順番となる

  1. 配偶
  2. 成年に達した子供
  3. 両親または、臓器提供となるべき者が死亡時に未成であり、この者の保護にその時点両親片方だけ、後見または看護が当っていたときは、このような保護担当していた者、
  4. 成年に達した同胞
  5. 祖父

2最近が、臓器提供となるべき者の死亡直前の2年間に、この者と個人接触があったときは、その最近 (1)により決定する権限がある。 3医師はこのことを近親者に質問することにより確認しなければならない。 4同じランクの近親者が多数場合は、その中の一人 (1) による関与を有し、決定を行えば十分である;しかしその中での反対には注意を払わなければならない。 5優先順位の高い近親者に適切時間内に連絡できないときは、その下のランクの近親者で連絡の取れる者の参加決定十分である。 6成年に達した者で、臓器提供となるべき者とはその死まで特別個人結びつきがあり、明白親密であったときは、最近と同じになる;そして最近同列になる。

(3) 臓器提供となるべき者が、臓器摘出に関する決定特定人物委任していたときは、この者が最近立場となる。

(4) 医師は、近親者並びに (2) 6項及び (3)による者の関与経過内容及び結果記録しなければならない。(2) 及び (3)による者は、書類に目を通す権利がある。(1) 5項による協定文書作成必要とする。

 

§5 証明手続

(1) 1§3 (1) 2.及び (2) 2.による確認は、臓器提供を互いに独立して診察を行い、このことに対して資格を有している2名の医師によってなされなければならない。心臓循環決定で疑いの余地のない停止に入っていて、それから3時間以上経過している時には、1項を変更して、§3 (1) 2.による確認は、1名の医師診察確認充分である。

(2) 1(1) による診察関与した医師は、臓器提供臓器摘出移植関与してはならない。 2これらの医師はまた、これらの処置関与する医師指示を受けてはならない。 3診察結果確認とその時刻は、医師によって根拠となる診察所見が示され、記録に書き留めて署名されなければならない。最近並びに§4 (2) 6項及び (3)による者には、書類に目を通す機会を与える。この人たちは信頼している者に意見を求めることができる。

 

§6 臓器提供尊厳尊重する

(1) 臓器摘出及びそれに関連する総ての処置は、臓器提供尊厳尊重し、医師注意義務相当する方法実施されなければならない。

(2) 臓器提供遺体尊厳状態埋葬に渡さなければならない。その前に最近遺体を見る機会を与えなければならない。

 

§7 情報提供義務

(1) §3 または§4 による提供となるべき者から臓器摘出しようとする医師に対して、またはコーディネイト機関(§11)により委任された者に対しては、臓器摘出規定により認められるかどうか、またそれが医学根拠矛盾しないかどうかを確認するためであるとき、並びに§3 (3) 1項により知らせるために必要であるときは、希望があれば情報提供される。医師は、社会典第5編§108 により、または他の法規定により、摘出意図している臓器移植認可されている病院、またはその臓器摘出目的としてそのような病院協力している病院勤務していなければならない。摘出意図している総ての臓器に対して、情報提供が得られなければならない。臓器提供となるべき者の死が§3 (1) 2.によって確認された後に情報提供がなされてよい。

(2) 情報提供義務付けられているのは

  1. 臓器提供となるべき者について、死の前に経過した疾患治療した医師
  2. 臓器提供となるべき者について§2 (4)による臓器提供登録から情報提供を受けた医師
  3. 臓器提供となるべき者について、検死をした医師
  4. 臓器提供となるべき者の遺体存在する保管所のある役所、及び
  5. (1) により情報提供を受けているならば、コーディネイト機関から委任を受けた者。

 

第3章

生きている臓器提供場合臓器摘出

§8 臓器摘出許容

(1) 1生きている人からの臓器摘出以下場合にのみ許される

  1. その人が
    1. 成年に達していて同意能力がある、
    2. (2) 1項により説明を受けており、摘出同意した、
    3. 医師判断により提供として適当であり、手術のリスク以上危険はないと予測されるか、摘出直接影響以上には健康上重い障害を受けない、
  1. 人の生命を保ち、または重篤疾患治癒させ、悪化予防し、苦しみを緩和するという医師判断により、受容となるべき者へ臓器移植することが適切である、
  2. §3 または§4 による提供適切臓器が、臓器摘出時期供給できない状況にある、
  3. 侵襲医師によって行われる。

2これに加えて、再生不能臓器摘出することは、1親等または2親等近親者、配偶婚約者、または提供特別な親しい個人結びつきが明らかな者に移植する目的のときにのみ許可される。

(2) 1臓器提供は、侵襲方法範囲、及び本人健康に対してこれから行われる臓器摘出がどのような直接結果及び後遺症をもたらす可能があるか、並びに臓器移植期待される結果見通しと臓器提供に対する意義を明らかに認めうる諸般事情を、医師から説明されなければならない。 2説明は、§5 (2) 1及び 2項が準用される別の医師及び、必要ならば、他の専門存在するところで行われなければならない。 3説明内容臓器提供同意表明は、説明者、別の医師及び提供によって署名された書類として記録される。書類には、1項による健康上のリスクの保険法上の保護についても述べなければならない。同意書面または口頭により撤回することができる。

(3) 1生体からの臓器摘出は、臓器提供臓器受容が、医師推薦したアフターケア参加することを表明した後でなければ実施できない。 2それ以外条件として、州法によって管轄された委員が、臓器提供同意自由意志によるものでなかったり、あるいは臓器が§17 による禁止された売買であるというような事実裏付けが存在しないかについて、鑑定的立場で明らかにする。 3この委員には、臓器摘出移植関与せず、また臓器摘出のような処置関与する医師指示を受けていない医師裁判職の資格のある者、及び心理問題経験のある者を含めなければならない。委員詳細、とくに構成手続及び財政については州法によって定める。

 

第4章

特定臓器摘出斡旋及び移植

§9 移植許可

心臓腎臓肝臓、肺、膵臓及び腸の移植は、それを許可された移植センター(§10)だけが扱うことができる。これらの臓器が§3 及び§4 による提供から摘出されれば(斡旋義務づけられた臓器)、その移植斡旋機関によって§12 による規定遵守して斡旋されたときにのみ許可される。さらに、斡旋義務づけられた臓器がこの法律適用地域摘出されていれば、その移植摘出が§11 による規定遵守して行われたときにのみ許可される。

 

§10 移植センター

(1) 移植センター病院または病院施設で、社会福祉典第5編【医療保険構造法のこと】の§108 または、他の法規定により§9 1項による臓器移植許可されたものとする。社会福祉典第5編の§108 による認可場合には、需要に即し、給付能力があり、そして財源保証され、また臓器移植必要な質が確保されるために、その臓器移植に対する重点とならなければならない。

(2) 移植センター以下のことを義務づけられている

  1. §12 による臓器斡旋のために必要情報を有し、移植が認められた患者順番待ちのリストを作り、また遅滞なく臓器移植のための患者の受入れと順番待ちリストへの加入について決定し、処置を行う医師にそのことと順番待ちのリストからの患者の取り出しについて知らせる。
  2. 順番待ちリストへの採用については、医学知識基準、とくに臓器移植必要結果予見相応したルールに従って決定する、
  3. 臓器摘出及び臓器斡旋のための§§11 及び 12 該当する規定を守る、
  4. どの臓器移植も、臓器受容から提供まで欠落のない逆追跡可能なように記録をつける;斡旋義務づけられた臓器移植では、コーディネイト機関による逆追跡可能にするために、登録番号(§13 (1) 1項)を用いる、
  5. 臓器移植前後に、患者必要精神なケアをする方法病院内で確保される、
  6. 社会福祉典第5編の規定により、他の移植センター比較することが可能であるような質を保証する方法が、この法律による業務場合にも実施される;これは§8 (3) 1項による臓器提供アフターケアにも適用される。

(3) (2) 4.は眼の角膜移植にも準用される。

 

§11 臓器摘出コーディネイト機関における共同作業

(1) 1斡旋義務づけられた臓器摘出することは、摘出斡旋及び移植準備も含めて、移植センター及び地域協力する他の病院共同任務である。この任務組織するために、疾病金庫中央組織連邦医師、及びドイツ病院協会または病院管理連邦組織は、適切なる施設コーディネイト機関)を設置または委任をする。コーディネイト機関財政的及び組織自立した管理機構協力者の数と質、運営上の組織、並びに物的設備に基づいて、この法律規定による移植センター及び他の病院共同作業することにより、1項による処置実施されることを保証しなければならない。移植センターコーディネイト機関において適切代表されなけれならない。

(2) 疾病金庫中央組織連邦医師、及びドイツ病院協会または病院管理連邦組織は、及びコーディネイト機関は、移植センター及び他の病院影響を及ぼすコーディネイト機関任務契約により規定する。契約がとくに規定するものは

  1. 臓器摘出関連して臓器受容保護するために必要処置要求、並びに関係共同作業に対する概括規定
  2. 斡旋機関との共同作業経験交換
  3. 質を保証するための方法において、移植センターを支えること、
  4. 移植センターと他の病院臓器摘出枠内で行う給付補償も含めて、この法律による任務を満たすためのコーディネイト機関適切出費補償

(3) (1)(2)による契約並びにその変更は、ドイツ厚生承認必要とし、連邦広報公示される。契約またはその変更は、本法規定及び他の法律相当するときに承認が与えられる。疾病金庫中央組織連邦医師、及びドイツ病院協会または病院管理連邦組織は、契約規定が守られることを監視する。

(4) 1移植センターと他の病院相互に、またコーディネイト機関一緒共同作業をすることが義務づけられている。 2病院は、医師判断により斡旋義務のある臓器提供とみなされる患者大脳小脳及び脳幹総合機能決定脱落を、コーディネイト機関が知らせてくる管轄移植センターに伝えることが義務づけられている。管轄移植センターコーディネイト機関との共同作業により、臓器摘出条件存在するかどうかを明らかにする。このために管轄移植センターは、この患者個人記録及び臓器摘出斡旋実施必要個人関連するその他のデータを収集する。病院管轄移植センターにこれらのデータを渡す義務がある;移植センターはデータをコーディネイト機関に渡す。

(5) コーディネイト機関毎年前年度の各移植センター業務統一基準で示し、とくに個人関連しない以下情報を含んだ報告発表する:

  1. §3 と§4、並びに§8 による提供臓器別に、§9 により実施した臓器移植の数と種類及びその結果
  2. 順番待ちリストの動向、とくに採用された患者移植を受けた患者、他の理由で除かれた患者、並びに死亡した患者
  3. 順番待ちリストに採用された、または不採用になった理由
  4. 上記 1.から 3.までの患者年齢階層性別配偶関係及び保険としての身分
  5. §8 (3) 1項による提供に対するアフターケア及び同人臓器提供によってもたらされる健康上のリスクの記録
  6. §10 (2) 6. による質保証に対して実施された処置

(2) による契約の中で、業務報告に対する統一基準及びそれに基づく移植センター情報協定することができる。

(6) (1)(2)による契約が、本法発効後2年以内成立しないときは、連邦厚生連邦参議同意を得て法規命令によりコーディネイト機関とその任務を定める。

 

§12 臓器斡旋斡旋機関

(1) 1斡旋義務づけられた臓器斡旋のために、疾病金庫中央組織連邦医師、及びドイツ病院協会または病院管理連邦組織は、適切施設斡旋機関)を設置または委任する。 2斡旋機関は、財政的及び組織自立した管理機構協力者の数と質、運営上の組織、並びに物的設備に基づいて本法規定による臓器斡旋を行うことを保証しなければならない。 3その機関本法適用地域外で取り出された臓器斡旋するときにも、臓器受容保護のために、医学知識水準によって必要とされる処置実施されることを保証しなければならない。 4ドイツの法律原則、とくに基本に明らかに抵触する結果とならないものであるならば、摘出地で適用されている法規定に一致して摘出された臓器だけを斡旋して差支えない。

(2) 斡旋機関として、その所在本法適用地域外にあり、国際臓器交換枠組の中において、臓器斡旋に対する本法規定適用の下に斡旋する適切施設委任することができる。その場合、§14 及び§15 規定準用保証されなければならない;適切なデータ保護監視保証されなければならない。

(3) 1斡旋義務のある臓器は、斡旋機関によって、医学知識水準適合した規定により、とくに適切患者に対する成功見込と緊急性により斡旋されるものとする。その場合移植センター順番待ちリスト(複数)は、統一順番待ちリスト(単数)として扱われる。斡旋決定は各臓器ごとに根拠記録し、登録番号をつけて移植センターコーディネイト機関に渡される。

(4) 疾病金庫中央組織連邦医師、及びドイツ病院協会または病院管理連邦組織は、斡旋機関任務移植センターに対する効果とともに契約により規定する。契約規定するものは

  1. §13 (3) 3項により移植センターから患者に関して報告すべき情報種類、並びに実施する臓器移植のそれぞれの種類に対する統一順番待ちリストを、斡旋機関がこれらの情報加工して役立てる、
  2. §13 (1) 4項によりコーディネイト機関によって報告された臓器把握
  3. (3)規定による臓器斡旋、並びに(1) 3項と 4項の規定を守るための手続
  4. 契約パートナたちによって定められた審査委員によって斡旋決定定期点検
  5. コーディネイト機関移植センターとの共同作業経験交換
  6. 斡旋機関が他の契約パートナたちへ定期報告する、
  7. この法律による斡旋機関任務を満たすための斡旋機関適切出費補償
  8. 斡旋機関契約違反した場合契約による解約について。

(5) (1) 4項による契約並びにその変更は、連邦厚生承認必要とし、連邦官報公示される。契約またはその変更は、本法律の規定及び他の法律相当するときに承認が与えられる。疾病金庫中央組織連邦医師、及びドイツ病院協会または病院管理連邦組織は、契約規定が守られることを監視する。

(6) (1) 及び (4) による契約が、本法発効後2年以内成立しないときは、連邦厚生連邦参議同意を得て法規命令により斡旋機関とその任務を定める。

 

第5章

報告、データ保護期限医学知識水準に対する指針

§13 報告添付書類

(1) 1コーディネイト機関移植センター調整した手続臓器提供個人関連情報をコード化し、コーディネイト機関を除いても臓器提供個人まで遡ることを可能にする登録番号作成する。 2登録番号摘出した臓器添付される書類記録される。 3添付書類はその他に、臓器移植必要な総ての医学情報を含んでいる。 4コーディネイト機関は、臓器登録番号及び臓器斡旋必要医学情報斡旋機関報告し、斡旋機関決定によって添付書類臓器受容移植することになる移植センターに渡す。詳細は§11 (2)による契約の中で規定される。

(2) 臓器受容の気遣われる健康障害を防ぐために必要なことであれば、コーディネイト機関は、臓器提供個人関連情報のある添付書類からの情報を、これに関する追加情報共同加工し、使用すること、とくに一緒にして提供臓器移植する移植センター転送して差支えない。

(3) 1斡旋義務のある臓器移植を受けることを医学的に届け出た患者治療している医師は、同人書面による同意をつけて、臓器移植実施される予定移植センター遅滞なく報告しなければならない。 2代償治療が行われているときは、そのことも報告する。 3移植センターは、書面による同意により順番待ちリストに採用された患者について、臓器斡旋必要情報斡旋機関報告する。患者同意する前に、本人個人関連情報がどのような機関に渡されるかについて知らされなければならない。1項または 3項の報告が、患者の死または重症健康障害によって猶予を許さないときは、報告事前同意がなくてもよい;同意遅滞なく後から入手することでよい。

 

§14 データ保護

(1) コーディネイト機関または斡旋機関本法適用地域において非公的機関であるときは、たとえこの規定違反に対する十分根拠がなかったり、あるいはデータがデータファイル加工されていなくても、監督情報保護に関する規定を守ることを監視するという条件で、連邦情報保護法§38 適用される。意思表示者は例外として、§2 (4) により臓器提供登録から情報提供されたり、あるいは情報転送された人物により個人関連データが加工されたり使用されることに対しても、これは適用される。

(2) 1意思表示者は例外として、§2 (4) により情報提供または転送関与した者、また§8 (3) 2項による見解、§11 (4) による報告通知、並びに臓器摘出斡旋または移植関与した者は、臓器提供及び臓器受容個人関連情報を明らかにしてはならない。 2同じことが、§3 (3) 1項により意図された臓器摘出、あるいは§4 により問題になった臓器摘出を知らされた者の個人関連情報についても適用される。 3本法律の枠内で生じた個人関連情報は、この法律で示された目的以外加工されたり使用されたりしてはならない。1 項または 2項による公開禁止違反対象となる裁判手続に対しては、加工使用は差支えない。

 

§15 保存抹消期限

1§4 (4) による関与に関する記録、§5 (2) 3項による検査成績確認のための記録、§8 (2) 3項による説明記録、§8 (3) 2項による鑑定見解記録、並びに臓器摘出斡旋及び移植記録は、少なくとも10年間保存する。 21 及び 2項による記録の中の個人関連情報は、遅くともその翌年終了するまでに破棄する;その中に含まれている個人関連情報データファイル記憶されているときは、これらはこの期限内に抹消される。

 

§16 医学知識水準についての指針

(1) 1連邦医師医学知識水準指針の中で以下のように定めている

  1. §3 (1) 2.による死の確認のための規定、及び§3 (2) 2.による大脳小脳及び脳幹の全機能最終的、疑いのない消失確認とそのために必要医師資格を含めた手続規定
  2. §10 (2) 2.による順番待ちリストへの採用と、採用または採用拒絶に対する根拠記録規定
  3. §11 (4) 2項による医師判断
  4. 臓器摘出関連して臓器受容保護必要方法とその記録についての要求、とくに
    1. 臓器受容のための健康リスク、とくに疾病感染のリスクをできるだけ小さくするために、臓器提供摘出された臓器及び臓器受容検査
    2. 移植にあたり、または移植の前にさらに選別保存するにあたって、臓器性状適切に保つためにする臓器保存処置選別保存及び輸送
  1. §12 (3) 1項による臓器斡旋規定
  2. 臓器摘出移植関連して質の保全必要となる方法要求

連邦医師指針遵守されれば、医学知識水準が守られると推測される。

(2) (1) 1 1. 及び 5. による指針作成に当っては、臓器摘出移植関与せず、またこのような処置関与する医師指示を受けない医師が、(1) 1 2. 及び 5. による指針作成に当っては、裁判職の資格ある者と患者領域からの者が、(1) 1 5. による指針作成に当っては、さらに§3 または§4 による臓器提供親族領域からの者が、それぞれ適切代表として出なければならない。

 

第6章

禁止規定

§17 臓器売買禁止

(1) 1治療目的となっている臓器を取り引きすることは禁止される。1項は以下に対しては適用されない

  1. 治療目的達成するために提供される処置に対する適切料金提供受領、とくに臓器摘出保存感染予防に対する処置を含む選別保存及び輸送に対して、並びに
  2. 臓器利用することに関連して製造されたり、認可または登録に関して薬事規定の下にあるか、あるいは法規命令により認可または登録免除されている医薬

(2) (1) 1項により禁止されている売買対象物である臓器摘出したり、他の人に移植したり、あるいは自分移植させることも同様禁止される。

 

第7章

刑罰及び過料規定

§18 臓器売買

(1) §17 (1) 1項に反して臓器売買をし、または§17 (2)に反して臓器摘出し、移植し、または自分移植させた者は、5年までの自由または罰金刑により罰せられる。

(2) (1)場合行為職業に行ったときは、処罰は1年から5年までの自由である。

(3) 未遂は罰せられる。

(4) 裁判は、禁止されている売買対象物である臓器臓器提供場合及び臓器受容場合は、(1)による処罰免除または裁量により軽減することができる(刑法§49 (2))。

 

§19 その他の刑罰規定

(1) §3 (1)または (2)、または§4 (1) 2項に反して臓器摘出した者は、3年までの自由または罰金刑により罰せられる。

(2) §8 (1) 1 1. a, b4.、または 2項に反して臓器摘出した者は、5年までの自由または罰金刑により罰せられる。

(3) §2 (4) 1項または 3項に反して情報提供または転送、または§13 (2)に反して情報加工または使用、または§14 (2) 1項から 3項に反して個人関連情報を明したり、加工または利用した者は、その行為刑法§203 で刑が示されて(?)いないときは、1年までの自由または罰金刑により罰せられる。

刑法§203個人秘密侵害した場合規定で、各種職種立場の者について述べている】

(4) (1) 及び (2)場合未遂は罰せられる。

(5) (1)場合行為過失により行ったときは、1年までの自由または罰金刑により罰せられる。

 

§20 過料規定

(1) 故意または過失下記のようなことをした者は秩序違反行為である

  1. §5 (2) 3項に反して、検査結果またはその時点確認記録しない、正しく記録しない、完全記録しない、または規定されている方法記録しない、または署名しない、
  2. §9 に反して臓器移植する、
  3. §10 (2) 4. に反して、また (3)と結びついて、臓器移植記録に留めない、または規定された方法記録に留めない、あるいは
  4. §15 1項に反して、そこに示した書類保管しない、あるいは最低10年間保管しない。

(2) 秩序違反 (1) 1.から 3. までの場合は5万ドイツマルクまでの過料により、(1) 4. 場合は5千ドイツマルクまでの過料で罰せられる。

 

第8章

最終章の規定

§21 薬事改訂

翻訳省略

§22 社会福祉典第5編の改訂

翻訳省略

§23 社会福祉典第7編の改訂

翻訳省略

§24 刑法改訂

翻訳省略

 

§25 移行規定

(1) 本法律の発効さいに存在している§11 による規定対象に関する契約は、それが§11 (1)及び(2)による契約によって解消するか、または§11 (6)による法規命令によって入替えられるまでは引続き効力を有する。

(2) 本法律の発効さいに存在している§12 による規定対象に関する契約は、それが§12 (1)及び(2)による契約によって解消するか、または§12 (6)による法規命令によって入替えられるまでは引続き効力を有する。

 

§26 発効廃止

(1) 1本法律は 2項が変更されなければ、1997121日に発効する。 2§8 (3) 2項及び 3項は1999121日に発効する。

(2) 1997121日に廃止される:

1. 198785日(GBl.I Nr.19 S.199)の法令により変更された197574日(GBl.I Nr.32 S.597)の臓器移植実施に関する法令

2. 1977529日(GBl.I Nr.13 S.141)の臓器移植実施に関する法令に対する第1施行規則

 

上記法律はここに作成され、連邦法令集で公布される。

 

ベルリン、1997年11月5日

 

連邦大統 Roman Herzog

連邦首相 Dr. Helmut Kohl

連邦厚生大臣 Horst Seehofer

連邦法務大臣 Schmidt-Jortzig

連邦労働大臣 Nobert Bluem

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訳者解説

これは1997121日に発効したドイツの「臓器提供摘出及び移植に関する法律」(略称移植法)の全文翻訳である。(但し§21−§24関連する法律条文訂正なので省略した)。

ドイツでは1970年代の半ばに、連邦−州の作業グループ臓器組織提供摘出及び移植連邦法に取り組み、1978年に連邦政府連邦法務によって作成された移植法案提出したが、成果をみなかった。そのような事情などにより、ドイツは最近まで、臓器移植自立した法的規定を持たないヨーロッパの中の残された国の一つとなっていた。日本では「臓器移植に関する法律」が19971016日から施行さているので、ドイツはこれより遅れたことになる。

しかし、実際には§26 にみられるような法令施行規則臓器移植が行われていたと考えられる(訳者はこれらを読んでいないが)。

今回法律施行される時点において、ドイツでは年間2,300腎臓580心臓780肝臓及び4,000角膜移植が行われている。しかし、腎臓移植には5倍、心臓肝臓移植には約倍の患者順番待ちリストに登録されており、提供臓器不足のために、かなり多くの患者早期死亡している。

ドイツ厚生199712月に「移植法」という題名64頁の小冊作成し、無料配布している。前半臓器移植意義臓器提供への協力依頼摘出から移植までの手続きなどを解説し、後半には移植法の全文掲載している。

 

以下本法律の中に出てくる二、三の用語について解説することにする。

 ドイツ連邦厚生は約500人の職員を有し、Z局、第1局、第2局、第3局、第4局の5局70部で構成される(199312現在)。Z局は中央管理、第1局は基本及び企画部門国際関係、第2局は保健医療給付医療保険医薬、第3局は健康予防及び疾病対策、第4局は消費保護獣医からなる。第3局はその下位組織である連邦健康教育センター支援することになっている。

ドイツでは一定限度以下収入の人は公的医療保険疾病金庫)に加入することが義務づけられている。この額を超える収入の人には加入義務がないが、それでも特定条件を満たしていれば公的医療保険加入できる。公的医療保険には国民の90%が加入している。公的医療保険加入していない所得の高い人は、通常民間医療保険加入し、診療を受けた場合医師薬局病院直接お金を支払うが、その明細所属する民間医療保険提出して、契約に従って全額または一定割合で払い戻しを受ける。民間医療保険場合通常診療費は公的医療保険2.3以内法律で定められている。公的医療保険加入者でも、病院個室などの待遇希望する人は、その差額に対する追加保険民間医療保険にかけることができる。このように医療保険には、公的医療保険を扱う疾病金庫民間医療保険機関の2種類存在する。

これら両機関関連する契約事項は、本法施行後2年以内に、疾病金庫中央組織連邦医師、ドイツ病院協会または病院管理連邦組織によって整備することになっている。すなわち、これらの当事たちに作成期限きで任せることになるが、もしこれが間に合わなければ、厚生法規命令コーディネート機関斡旋機関任務規定してしまうことになる。

このようなやり方は、ドイツの医療制度においてしばしば用いられ、ドイツが自慢の一つにしている自主管理と言われる運営方式である。すなわち、法律枠組みだけを定め、運用実際に関する詳細直接関与する当事、すなわちパートナたちが相談して決定するという方式である。各パートナから選出される委員は、法律で定められた公的責任をもって委員活動を行い、契約指針などを作成する。

ドイツでは1969以降刑法改正により、身体自由拘束する刑罰は、それまでの重懲役禁固拘留区別廃止され、単一自由一本された(田沢五郎:ドイツ政治経済辞典による)。

 

1998年4月27日

訳者 岡嶋道夫

e-mail: okajimamic@hi-ho.ne.jp

http://www.hi-ho.ne.jp/okajimamic/

 

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