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A.Professor Bernhard Knight からの手紙

 

Professor BERNARD KNIGHT, CBE

MD, MRCP, FRCPath, DMJ(Path),Barrister

Professor of Forensic Pathology

Home Office Pathologist

1994年5月25日

Dear Professor Okajima

 

.....[個人的な挨拶].....

 

Forensic Medicine が英国において、どのように教育され、資格認定がなされるかについて概略を述べる。

最初に、貴方は卒前教育には特別な関心はないと思うが、完全な内容とするために、それについても述べると、私たちは医学生に最良のlegal medicineの教育をしているとは言えない。私たちの医科大学40校では、大学によってかなりの差異がある。不幸なことに、大学は今お金に欠乏し、臨床と結びつかないと考える教育を多数削除し、forensic medicineは影響を受けている。EnglandとWalesでは、多くの医科大学では26時間であるが少数の医科大学では0時間というように、教育時間は異なっている。最終試験final general examination にa few multiple choice questionsを挿入するようにしているが、EnglandとWalesでは事実上は医学生のlegal medicineの試験はない。Scotland, Northern Ireland及びSouthern Irelandでは事情が多少良く(とくにIreland)、現在も正規の教育と試験を行っている。British Medical Associationは、卒前教育をコントロルしているGeneral Medical Councilに、legal medicineの復活を請願している最中であるが、私はこれが効果をもたらすかどうか疑っている。卒前の医学生は、かれらの殆どはforensic pathologyを将来行うことがないから、forensic pathologyではなく、医療実務に対するlegal aspectsが教えられるべきであると私は確信している。しかし、かれらは死亡診断書、negligenceのavoidandce及びその他の医師の法的義務を知る必要がある。

卒後教育になると、forensic pathologistsの数は少ないので、毎年少数の新しいメンバーが必要とされている。残念ながら、大学の財政上の理由により大多数のforensic pathologyのdepartmentsは閉鎖された。ロンドンの2つのdepartmentsは昨年閉鎖されたので、千万人の人口を有するロンドンには、現在Guy's Hospital Medical Schoolのdepartment一つだけしか存在しない。ロンドン以外のEngland and Walesには、2つのdepartmentsしか存在しないが、それはCardiffの私のdepartmentとUniversity of SheffieldのGreen教授のdepartmentである。Liverpoolには、2名だけの小さなsub-departmentがある。

Scotlandには4つのdepartmentsがあり、またNorthern IrelandのBelfastにも一つのdepartmentがある。このように、academic forensic pathology の人数は30名を超えないくらいである。解剖に関連する警察の仕事は、Home Office (Ministry of Justice) によって認可されたpathologistsによって行われるが、これにはsenior forensic pathologists の全員とforensic pathologyに特別な興味を持つ同数のhospital histopathologists が含まれる。リストされているこの認可されたpathologistsの総数は48名で、England and Wales だけのものである。Scotland and Northern Ireland は異なった法制度を持っている。

Forensic pathology と clinical forensic medicine の区分は Britain でははっきりと分けられている。Forensic pathology は、それを医学部の中に生残らせてくれているいくつかの大学に完全に所属しているが、この他に大学外で個人開業の状況で従事する数名のものが含まれる。

Clinical な意味をもつ forensic medicine は、すべて一般医(general practitioners)によって実施されているが、そのような人たちは生きている患者に関連する暴行、性犯罪、酩酊などを扱うために、各地において警察とパートタイムの契約を結んでいる。かれらは自分たちの組織を持ち、現在は新しい雑誌を作っている、そして私たちは軽度に協力するが、police surgeon と forensic pathologist はそれぞれ独自の道を進んでいる。

次に具体的な教育を眺めてみると、forensic pathology では、その制度は Royal College of Pathologists によって完全にコントロルされている。医学部学生として資格を取得し、義務となっている1年の intern preregistration posts を完了した後、総てのドクターは専門に進まなければならないが、pathologists(どのような sub-specialty も)になろうと思う者は MRCPath (membership of the Royal College of Pathologists)にならなければならない。これは、認可された department of pathology に5年間雇われることを意味する。最初の3年間は general pathology、主として surgical histopathology を学び、Part I examination 取らなければならないが、これは all the pathology disciplines (病理学の総ての科)に共通していることである。この後にsub-specialism(neuropathology, paediatric pathology or forensic pathology など)の2年間があり、MRCPath を与える Part II examination を取ることになる。

Forensic pathologists の Home Office リストに載るためには、医師は後の2年間を全部 forensic pathology で過す MRCPath(Forensic) か、または「MRCPath(Histopathology)+ forensic medicine における他の資格」を取るかの何れかでなければならない。後者は DMJ(Diploma in Medical Jurisprudence of the Society of Apothecaries of London)または Royal College of Pathologists の Forensic Pathology の新しい Diploma ということになる。

Forensic pathology の経歴で過そうと思う医師は通常 MRCPath(Forensic)を取得する、一方病院の laboratory で働きながらパートタイムで forensic な仕事をしようとする医師は通常 MRCPath(Histopathology)+ DMJ or DFP を取得する。

以上のことは複雑に見えるかもしれないが、Britain における総ての卒後研修は、それぞれの専門の Royal College system によって行われる。

貴方の関心に対して、MRCPath 及び DMJ のための規則のコピーを同封する。

Clinical forensic medicine を扱う police surgeons は、通常は DMJ(Clinical) を取得する。DMJ は clinical または pathology に共通な Part I に続いて2つの parts を持つ。志願者は general Part I を取得し、その後 Forensic Pathology の Part II または Clinical Forensic Medicine の Part II の何れかを取得する。

このインフォメーションが役立つことを期待する。遠慮せずに手紙を下されば、分ることは何でもお知らせする。

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Professor Bernard Knight 署名